カッコよさに理由はいらない

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「競争闘争理論」

最近、「競争闘争理論」という本を読んだ。今まで“なんとなく”感じていたけど、具体的にはそれが何なのか理解できず、言語化もできなかったことを言葉にしてくれている素晴らしい名著なので、みなさまにもぜひ手に取ってもらいたい。

最後の章に、「なぜサッカーは“カッコよく”あらねばならないのか」という章がある。逆に言えば、「日本のサッカーはダサいのでは?」という著者の問いかけである。

NBAとカッコよさ

僕は小学校6年生の時にNBAに出会い、バスケを始めた。その時からバスケが好きになったのもあるけど、言い方を変えればNBA選手の“カッコよさ”にのめり込んでいったと言っても良い。なので、プレイの“カッコよさ”はもちろんたくさんマネしたけど、NBA選手の振る舞いや、ファッションにもかなり影響を受けた。

もちろん最初はバッシュからスタートだ。その時は”エアジョーダン8“が最新で、チャールズ・バークレーのシグネチャーモデル”エアーフォースマックスCB“は、僕が初めて買ってもらったバッシュだった。踵のエアクッションがクリア素材になった”エアマックス“というテクノロジーが搭載されたその一足に、世界中の子供たちが興奮し、憧れていた時代だったのだ。中学1年生の僕も全く例外ではなく、あのバッシュを買ってもらった時は、毎日夜に眺めていたし、バスケで使った後は、毎日汚れを拭き取ったり手入れをしたものだった。

90年代はメディアの影響力、特にインターネットなどによるグローバル化で、NBA文化が花開いた時代とされている。当時のNBA雑誌、”ダンクシート“や”フープ“で、最新のバッシュをチェックするのが、僕のルーティーンでもあった。

96年にはアレン・アイバーソンが現れ、ヒップホップ文化やファッションがNBAを席巻していった。高校3年生の頃には、ミックステープで有名になったストリートボールブランドの“AND1”が登場し、当時なぜか日本進出したフットロッカー渋谷で、“マーブリー2”(ステフォン・マーブリーのシグネチャーモデル)を買ったことを今でも覚えている。

当時、”AND1“なんてほとんどの人が知らなかったかなり早い時期から”AND1“を履くほど、僕はバスケファッションやカルチャーには敏感だったのだ。

そこから約2年が経過した2000年のNBAスラムダンクコンテストで、ヴィンス・カーターが今でも語り継がれる脅威的なダンクを次々と繰り出した。その足元が左右ツートンカラーのAND1“タイチ”というバッシュだったことで、多くの人がAND1を探し求めた。

今でこそ、ユニフォームのショーツは膝上くらいの長さ(時代によって多少流行りの長さは異なる)が当たり前になっているが、それはジョーダンが全盛期だった頃から始まっている。しかし、僕が中学校の部活で初めてユニフォームをもらった時、ショーツは完全に太ももがあらわになる短パンだった。それは80年代のバードやマジックの時代のようなもので、思春期の僕がそのユニフォームにどれだけ絶望したか、みなさんに想像できるだろうか。

そして、逆に2000年代中期には、流行りのショーツ丈は長くなりすぎて、今見るととても違和感があるものになっている。はっきり言ってしまうとダサい、、、笑。

NBAからストリートボールへ

AND1ミックステープからは、ファッション以外にも多くのことに惹かれた。彼らの繰り出す独創的ドリブルや、パス、そしてダンクは、NBAでは絶対に見られないもので、彼らはいわゆる“魅せる”バスケのプロフェッショナルだった。試合のスコアを気にしている人はそこには誰もおらず、相手に精神的ダメージを与えるような最高のムーブや、ディフェンスを欺くトリックプレイを繰り出してやっつけたら、そこで試合は終了する。試合の勝敗は、観衆をいかに魅了するかで決まる(ような感じ)。そんな文化もバスケ発祥のアメリカには存在するのだ。彼らは僕にとって、”カッコよさ“そのものだったのだった。

高校で部活を辞めた後の僕は、クラブチームや、新宿の公共体育館でバスケをする中で、いろんな人に出会い、バイトして自分の好きなバッシュを買って、自分の好きなバスケをした。NBAやストリームボールに影響を受け、自分と同じ価値観を持つ友人も何人かできたし、彼らとやったバスケはとても充実したものだった。

本当に才能に溢れた選手も友人の中にはいたが、そこは日本のバスケのメインストリームにはほど遠い場所だった。

今でもジムでのシューズはAND1という厨二病を患っている

日本のバスケは格段にカッコよくなった

90年代の日本のバスケの全てがダサいとか言うつもりは全くないし、過去のレジェンドたちを今では本当リスペクトしている(むしろ現在は直接お世話になっている方も多数いる)。しかしながら、中学生だった僕には全く刺さらなかったのも確かだ。

そう思うと今のBリーグは、競技力が向上しているだけでなく、カッコよさも格段に上がっていることは素晴らしいこと。もちろんそれは、いろいろな意味での選手のファンに対しての意識や、SNSの力などいろいろな要素もあるけど、それを演出し、ブランディングやマーケティングする方々も、カッコ良さを創り出すことに大きく影響している。選手だけでなく、スタッフや、レフリー、チアリーダーなど、携わる全ての人がカッコ良く輝ける時代になった。

そして現在は2人の日本人NBA選手がいる。あのNBAの舞台で、日本人がプレイする姿をほぼ毎日見れるとは、なんて幸せな時代になったのだろう。

自分が“カッコよい”と感じるポイントは、年齢とともに少しづつ変わっていっているかもしれない。

だけど、10代の頃にに感じた“カッコよい”は一生変わらないんじゃないかなと思ったり。

アメリカバスケが僕にとって“カッコよい”の象徴であるように、日本のバスケも誰かにとってのそれになっていくんだなと思うと、とても嬉しくなる。

コーチトミー
この記事を書いた人
冨山晋司

1981年生まれ。立教高校、立教大学卒業。東京新宿区の公立中学校で外部コーチ後、
【2009-10】東京アパッチ(bjリーグ)アシスタントコーチ
【2010-11】bjリーグアカデミーサポートコーチ
【2011-12】  岩手ビッグブルズ(bjリーグ)アシスタントコーチ(シーズン途中よりヘッドコーチ代行)
【2012-13】千葉ジェッツ(bjリーグ)ヘッドコーチ
【2013-14】熊本ヴォルターズ(NBL)アシスタントコーチ
【2014-2018】アルバルク東京アシスタントコーチ
【2018-19】大阪エヴェッサアソシエイトコーチ
【2019-2021】大阪エヴェッサアシスタントGM兼アナライジングディレクター
【2021- 現在】日本バスケットボール協会(JBA) 技術委員会 テクニカルハウス
男子日本代表テクニカルスタッフ (2023年アジア競技大会 男子日本代表アシスタントコーチ)

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